raingoesup

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素晴らしき朝のために

小学校4年くらいまでの、休日の朝の景色を思い出す。北側だけど風通しのいい和室に布団が3つあってそれは幼い僕にはどれもとても大きなもので、末端は宇宙の末端と同じ暗闇が確かにあった。ブラウン管のテレビがついていてアニメがやっている。掛け布団を横縦に1回ずつたたんで、それはふかふかでボリュームがあるから、3つ折りにした敷き布団をのせてそこに更に私がダイブして圧縮する。それを押し入れに入れる。背が足りないので奥まで入らない。
そんなこんなの後にリビングに移動して茶粥とか海苔とかなめたけとか長芋とかの朝食を食べる。

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ふと、部屋の角を見やる。今日はなんだか、一瞬初めて見たような気になれた。エアコンが思ったより古びていたおかげかもしれない。いや、古い、その時代の漫画を読んでいたからかもしれない。

立体的な視覚情報として脳に取り込まれる情報が少なくなっていくことは何をもたらすだろうか。僕はもう半分くらいは知っていそうだと思う。

近頃は嗅覚に頼っていた。線香の匂いは良かった。納得に消化できた。