暗く閉じていくような、でも不思議と寂しくはないような音楽。
そのために、数年前の世界の精神性を利用することもやぶさかではない。
暗い場所に響く。時折渦を描きながら広がっていく。
暗い部屋に置かれた小気味の好いものに単一指向性のライトが当たって薄黄色く光るのを見るような。
歪み感もあってもいいが必要以上に乾くべきでない。暗く冷たいなかにある生暖かさに恍惚としたい。
気付けば、脳が追いつけない複雑性が違和感無く現れていてほしい。
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いくら引き込んで巻戻しても目を開けば薄明かりの中に偏在する現実。意識下無意識下に取り込まれるノイズに少しずつ汚れていく感覚器とその先。それさえも目を閉じて身を委ねていれば浄化のスピードが追い越してくれそうな気がする。ずっとこうしていられれば問題はないのだろう。