raingoesup

「」

シェークvsバナナスプリット

バナナと牛乳とスナックパンを吸い込んだ。一番シンプルな味のスナックパンだったので都合が良かった。なぜなら今僕はスプリット・タンだからである。いや、「蛇にピアス」は読んだことがない。人が読んでいるのを見ていたのと確か映画の予告を見たぐらいで、僕の舌も先日誤って噛んで先端が控えめな小学生の作る切り絵のように僅かに切れ目が入っているだけである。それでも少し口内炎気味だったのでそういう食事のほうが良かったということだ。これでは、歯並びが悪くてよく食べ物が歯にくっつくのを舌で掃除することもままならない。掃除をさぼるのは僕のスタイルに合わない。学校では結構真面目にやっていたほうだった。しかし自分の部屋はひたすらに汚い。つまりは、僕はようやっと晴れて自分の口内を自分の部屋と同等に扱うようになったということである。良いことか悪いことかは僕の一存では決められない。舌だっていい加減掃除がめんどくさくなっていたかもしれないし、歯ももう少し自堕落にそのやさぐれっぷりを噛み締めたい年頃かもしれないじゃないか。そうだ。この歯は永久歯だから僕よりは少し年下なのだ。

 

キーボードに打ち込む上半身が前頭葉を重心にしてなんとなく前傾している。止まっているのに落ちていっているような感覚がある。僕もとうとう自転の甘美な導きを感じ取れるような宇宙際の寵愛に至ったのか。そうかそうか。