raingoesup

「」

モスキートンはもう聞こえない

自分を確立したような気になっていたがそうでもなかった。わたしはまたあの雰囲気に飲まれていた。挙動不審が生まれていた。一瞬一瞬を大切にすることができなかった。

 

それはそれとして。

 

それとするだけで終わっても別にいいと思う。無理に結論を導かなくても僕は楽なままだ。本質的に困ってはいない。好きなものに囲まれなくても大丈夫だし、いまいち好きじゃないものも視界の端になら置いて生活できる。もっと大切なこととか馬鹿馬鹿しいけれども素敵なものとかがあって、それについて考えて生活すればいいのだ。いいのか?そうでもないけど。限りあるものを失っていく瞬間を思うと恐怖は止まらない。それも果たして許すべきなのか。それさえどうでもよく思えるほどに常に酩酊していたい気持ちもあるよ。