学校へ行く。マスクをしていた。
新学期だからなのか、やたらとバスの列が長かった。
待つことと混んだバスに乗ることが嫌だったので、歩いていくことにした。
10時40分。
初めてのことだった。無駄に体力を使うまいとずっとバスを利用していた。
しばらくはなんとなく見知った視界。けれどもやがて違った様相を呈した。
思ったより道は狭い。すぐ横に迫るのは、バスから眺めていたときよりも随分高く肉感を伴った民家の塀だったり、木。
木、木、木。大きい。
季節の塊。
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鮮やかすぎた。
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給付奨学金の申請(未遂)をして、昼食を食べた。
柚子塩の味がしなかったでしょう、とおばばが390えんのうち200えんをキャッシュバックしてくれた。
190えんで唐揚げと野菜の入ったラーメンが食えたので幸せだった。
研究室へ行った。一番近い先輩と少しだけ交流したのちに勉強にとりかかる。
しばらくして人が増えた。
今日はまわりがうるさくてあまり集中できなかった。
コーヒーに入れるポーションを買って冷蔵庫に入れたけれど、それについて発言を求められていそうな空気で何も声を発することができなかった。
同様に、いちごのフレーバーの加工食品が大嫌いだという話題がのぼったときも、いちご味のチョコレートを机に置いておきながら何も声を発することができなかった。
基本的に集団という集団に馴染めないのである。正しい挙動に、ある近傍ではたまたま近似できたとしても、全体として大きく逸れてしまうことを免れない。
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バスがすいている時間に帰って、カラオケのボックスに寄った。
歌を歌ったり勉強をしたりした。
久しぶりに大きな声を出すと、少しだけ大雑把な空気を纏える。