raingoesup

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川床の虫

外へ出て、例えばレンタルDVDの棚の前をうろついたところで、ちょっとした緊張感とそれに付随する楽しさみたいなものがなくなってしまった。家にいるのと同じぬるっとした既視感が、なかなかぬけなくなった。これが正しいようにも思う。

 

今日は帰りに文化ホールの前の広場へ寄って発泡酒を飲んだ。石でできた美しい空間で、近くの街灯やマンションの明かりが水路に映るほかは、薄暗い。まだ7時台だったのもあってか、部活の服を着た中学生が遠くで戯れていたり、よくわからない大人が佇んでいたりした。

外で飲むのは気持ちがよく、気分転換になる。大声を出すのと同等ぐらいに。鴨川まで行くのは金がかかるけれどここならそれもない。

まあでもここもいずれ家みたいになってしまうのかな。そのときはまた別の場所へ向かえるだろうか。