raingoesup

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回転

公園でバク転の練習でもしてみようかと前から思っていたので、ランニングのついでに寄った。人目がないかを確認し、とりあえず手頃な側転をしてみることにした。芝生がところどころ薄く、硬い地面がむき出しになっていたので、手をつく場所を考えないと手が激しく傷付く。なんとなく躍動感は薄い感じがしたが、まあできた。次にハンドスプリングをやってみることにした。これは逆立ちするように前に手をついて、そのまま身体を反らし足で着地するというもの。失敗すれば背中を強打してしまうので、なかなか勇気が出なかった。まずは寝転がった状態から脚を上げ、身体を反らし起き上がるという動作をやってみた。できないでもないが、ひどく不恰好な気がした。いい歳した人間が夜の公園で一人何をやっているんだという気持ちがより強くなる。人がいないか気にしつつ、手をつくのに適切な場所を探しつつうろうろした。手を前に出してみると案外簡単に、前についた。何か気持ちの作用によって途中で止まったりするのではないかと思ったが、そのまま行った。手をつき、身体を反らす。なんとか足をつくことができたが、かなり違和感があった。身体の反りが急すぎる気がする。本来はそこまで反らす必要がないのだ。数回やって同じような結果になり、助走が足りないのだと気付いた。おそらく側転の違和感も同じものだと思った。ある程度速度を上げ慣性を大きくすることで、手をついた後に美しい軌道で回転しつつ、前方へ移動することができるので、あまり身体を反らさずとも足をつくことができる。まずは側転からやってみると、推測は正しかったことが分かった。ハンドスプリングも成功。爽快感があった。しかしまだ人に見せるものではない気がする。人に見せようと思っていたのか?着地の際の脚が揃っていないことと、伸びていないのが気になった。原因はわからないまま、なんとなく人目が気になったのか、帰った。