raingoesup

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旅行記1

起きたらとても頭が痛くて、再び寝たら治った。再び起きたのは遅くて学校行くのをやめた。どんな顔して挨拶したらいいかわからない。

わからないといえば、今学校あまり行ってないことに対して説明を求められたらどう言えばいいかわからない。それをなるべく軽減するために、行こうとしているという側面も大いにある。だめじゃん......壊れたりしたら。

 

ともあれ、とにかく出かけたほうがいい。これ以上やっていると学校へも行けなくなりそうな気がして、家を出た。近場に自転車で行くのではだめだと思い、とりあえず学校方面の電車に乗る。なるべく学校とかその手前とか、その先の京都とかに行きやすいように、8月分も定期は買ってある。

結局大津で降りた。改札の中には北緯35度の線が刻んであった。そっちが緯度方向なんだ。自分の中の地図とコンパスを修正した。北口から出る。

駅の周りは思ったより都会じみていた。床とか屋根とかがしっかり新しいというだけだけれど。そのしっかりしたところに沿って歩くと、スタバがあった。人が詰まっていて入る気にならなかった。周りの空間との密度が違いすぎて引いてしまうんだよな。

しっかりしたゾーンは終わったので、適当な通りに入っていく。商店街らしく、歩道部分はやはりまた屋根があったが、こちらはもう少し古そうで、その軒下はシャッターが大部分を占めていた。たまにレトロな洋食屋や洋服屋や、よくわからない古そうな店が顔を見せていた。やっぱりこういう感じか。来たことなかったけど、そんな気がしたんだ。これが滋賀だろうねという気持ちになる。

次第に足は琵琶湖のほうへ向かっていた。琵琶湖ホテルがある。ここへは、数ヶ月前卒業式後の謝恩会で来た。こんなところだったんだね。

琵琶湖ホテルの裏の湖岸は、公園になっている。ヨットが好きそうな人がいそうな、パラソルが備え付けられたウッドデッキのある建物とか、ソフトクリームを売っているこじんまりとした売店とかがあった。今これはどこかでコーヒーでも飲みたいなと思って歩いていて、ちょうど良さそうな喫茶店も見えたが、いずれにも吸い込まれることなく、琵琶湖岸をひたすら歩いた。

暑い。琵琶湖の水は濁っている。藻が茂りすぎて生臭い臭いを放っており、その隙間にそこそこ大き目の鯉の死骸がいくつも浮かんでいた。ひどいものだけれど、それでも、巨大な湖があって、それによってくり抜かれるように夏の空が広がっている様はそれだけで爽快で、いくらか心が洗われた気がした。

歩く。どういう風に公園が広がっていて、近くにどんな建物があって、どんな人が来ているのか、果ては水路の位置や水質や構造など、そんなどうでもいいような色々を脳に取り込むために。

いい加減疲れてきたところで、眼前に巨大で変わった構造の建物が。びわ湖ホールだ。うまく言えないけれど、大きなアーチ状の片屋根とか、その周りの段々になっているところとか、大きな階段とか、そのすべてが明るい灰色で構成されていて、その隙間に木の緑が入って形成されるコントラストとか、好き......。

そのさらに先に、見覚えのあるアヤハディオ(ホームセンター)が。あれ、ということは一駅分歩いて、膳所まで来たらしい。そこからは琵琶湖と反対側に進んだ。マタリという名前のゆっくりできそうな喫茶店の看板が見えたので、そろそろ休みたいという身体を引き摺ってそちらへ向かう。近くまで来てみると、マタリは大通りから公園を通って敷地へ入るという変わった構造だった。その他にも公園からは民家への入口がいくつも並んでおり、「いえにボールがはいらないようにちゅういしましょう」という看板があった。ボール遊びを安直に禁止しない、寛大な風土なのだなあと思いながら進んで行きマタリを覗くと、どうやらランチタイムが終わり、次の夜の時間までは閉まっているようだった。休憩失敗。

公園を出ると、大津パルコが見えた。以前はその名前で呼ばれていたのでそう思ったけれども、実際のところ大津パルコという名前のショッピングセンターは少し前になくなり、今は同じ建物にOh!Meというよく分からない名前が書いてある。(滋賀っぽいセンスの悪さだけは伝わってくる。)Oh!Meが何なのか気になったので近づいていって見てみると、

 

後編へ続く(続かないかも)