raingoesup

「」

2020.09.27

何を思い出すべきで、何を忘れるべきなのか。

 

夕方になってようやく家を出ることができた。夕焼けの中を歩く。神社と公園。ふいに、小さい頃のことを思い出す。家族でこのあたりにも来たなあとか。小学生のころの気持ち。確かに恵まれた、幸福な時間だったんだなあということを思った。

林をゆっくりと歩く。抜けた先には川があって。いつもこの浅い用水路にはアメンボがたくさんいる。何らかの血を吸って生きているらしいが、何があるんだろうか。田んぼの端にはヒガンバナがいくつも咲いていた。写真を撮った。

そう、別に立ち止まって写真を撮ってもいいのだ。

振り向くと、虹が出ていた。首をもたげた向日葵と虹を横長の写真に収めた。

その用水路が少し大きな川に流れ込む。鯉がたくさんいた。立ち止まって眺める。写真も撮る。晴れていたが、少し雨が降ってきた。

 

ペデストリアンデッキに上る。夕暮れ時のこの景色は美しくて好きだ。歩いていたら駅に着いたので、隣駅まで行くことにする。

電車に乗る。月曜になって、何もわからない、久しぶりの外という感覚で出勤するのは精神的にきついものがあるので、このようにして土日のうちにもリラックスして電車に乗ることができると、少しだけ安心できる気がする。

 

降りて駅を歩く。すれ違う人達から、隣との空気の違いを感じる。まあ、なんとなく今日はどちらかというとそういうものも許せそうな感じだった。

 

ショッピングモールに行く。無印良品の場所が変わったというので見に行ったが、以前と比べるととても狭くて品揃えも薄く、あの独特の空気感もないので少しがっかりした。

少し歩いて、メインのデパートに入る。ジュピターでコーヒーを買うのが目的だ。円錐形のドリップペーパーと、なんとなく選んだマンデリンの豆を買った。あとは、困らないようにと、ハンカチとベルトを買った。

 

おひつごはん、という店に入って夕食を摂った。ひとりでも意外と馴染むのでよかった。海鮮が魅力の店だったが、昨日も食べていたのとなんとなくの体調を鑑みて、唐揚げの定食を食べた。

 

自分にとっては、こうやって腰を落ち着けることのできることが好ましく思えた。出てくるのを待つ間、ノートを取り出して色々考えた。店を出て、また腰を落ち着けることのできる場所があったので、そこに座って将来のこととかもう少し考えた。

 

答えはわからない。ただなんとなく、昔を思い出して、ある程度落ち着いて将来のことを考えることができた気がした。

 

相変わらず部屋は荒れている。どこから手をつけていいかわからない、手をつけられない状態の生活。それでも祈るような気持ちで。