raingoesup

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2019.11.24

重い身体を起こして高速に動かし、なんとか電車に飛び乗る。障害者芸術の展示を見に行く。地下通路には、地元の芸大の作品が並んでいた。ギャラリー。それなりに入りやすい。期間中何回も来ている常連だか、運営側の知り合いだかみたいな人がやってきて話していて、そういう感じで会話に巻き込まれるのかなあここは、とか思いながら一階を見る。期間最終日だったから写真を撮らないと、といってその知り合いだかみたいな人とおそらく同一の人をモデルにカメラを構え、どの絵を見てというような構図を指定している、その向こうで、柱に隠れるような形で見た。二階。それとは別に、カメラで作品を撮影しているらしい一般来場者(個)がいたので、いいのか、と思いおそるおそる写真を撮る。もう一度一階にも戻って、気になった作品を写真に収めた。結局、写真か何かが残ってないと、そこで受けた印象とか、作品ごとあらかた忘れることになるので、ありがたい。そういったことも手伝って、展示は全体的に興味深く、楽しめた。

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城の前にはありえないほどの人の列。周囲を見てみたが、何にそんなに並んでいるのかは、結局わからなかった。

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しばらくさまよう。城の前では、いつもの京都らしく、歩いている人の顔を見るだけで憂鬱な気持ちになっていたけれど、主要な駅の近くまで来てみると、そういった気持ちは薄れてきた。前にも一度ライブを見に来たことがある。雰囲気のいいライブハウスだった。何故かドーム状の屋根を持つ駅とか、その周りの広い道の感じとか、駅前ビルに入るテナントとか、映画館のある商業複合施設とか、京都の中心地からさほど離れていないのに少し地方都市的な印象がある。本屋へ行き、カフェに入りたいと思っていたが、両方先述の複合の中に含まれているらしかったため、自らも複合されることにした。それほど大規模でない本屋へ行って、『騎士団長殺し』第二部の上巻と、付箋と、マスキングテープを買った。誰かが歌っているらしい音が聞こえてきていたので、二階に上がる。ゲームセンターだった。その前でよくわからない人が歌っていて、よくわからない男たちが見ていた。いいですね。よくわからない人がタピオカ飲料を配していた。もう一つ階を上がると、駐車場と、簡単なクレーンゲームのようなものがいくつかあった。その上は映画館。ロビーを見て、エスカレータの反対側まで回り、下った。まだ歌っていた。なんとなくゲームセンターに分け入った。昔はガラの悪い場所、というイメージだったけれど、そこは全体的に照明が適度に明るく、視界も開けていて、健全な感じがした。スロットだかメダルゲームだかを一人で楽しんでいるらしい、ある程度歳のいった人がちらほらいた。そういうのもあるんだなあ、と思う。

プリンちゃんがいた。

UFOキャッチャーに。ポケモンの。心が惹かれた。ポケモン自体は今別にさほど好きというわけでもないのだけれど、スマッシュブラザーズでずっと使っているので、思い入れがあるし、改めて邂逅しても親しみを感じた。(プリンちゃんという呼称も、上手いスマッシュブラザーズの人が言っていたからそう自分の中で言っている。)一人だからとか、どうせいらなくなるとか思ったけれど、まともにやったことがなく、そのままの状態を続けるのは好ましくないと思ったし、心が躍ったので、百円を消費した。そこまで位置は悪くなかったと思うけれど、出口の柵のところにアームが引っかかって下がりきらず、とれなかった。かくして状態は遷移したため、それ以上やろうとは思わなかった。一階へ降り、ドーナツを食べながらコーヒーを飲みながら、椅子に座った。

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電車に乗る。ある確信のような決心のようなものが芽生えた。そのうち消えてしまいそうだけれど、だからこそ、あまりすぐ人に言いたくはない。いつものように消えるのは好ましくない。よって、語らない。