raingoesup

「」

2019.12.22 / 読み方ができる

お酒を飲んでいたからかよく寝た。カットの時間に間に合うように、家を飛び出した。

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小説を読む。補助シートで、私も精一杯縮こまっているからスペースは充分あると思うのだけれど、隣の人のしきりに何かをする、おそらく身だしなみを整えている肘がよく当たって、嬉しいような怖いような。電車を乗り換えて降りて最寄に着いたが、予定時刻までまだ30分以上余裕があった。あまり座るような場所はないのでとりあえず外へ出て徘徊しようと思ったが、雨が降っていたし寒そうだったのでやめた。駅に直結するビルの地階にサイゼリヤがあり、その前のわずかなスペースに男性が居るのが見えたので、とりあえずビルに侵入した。ビルに侵入するのは楽しい。どこまでが入っていいところなのか分からない不安感はあるが、逆に別に結構入ってもいいことが多く、良い。そこのトイレに寄ったらいい時間になったので、向かった。

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いつもはカットの仕様が決まれば基本ずっと無言で、帰るときに近況を一言二言話すだけなのだけれど、今日はシャンプーの前にひとこと、もう冬休みかという会話があった。「そうですね」私は何も会話の脳になっていなかったので反射的にそう答えて、少し間があってから、「でも研究室に入ったらもうあんまり関係ない感じですね」とか補足した。

前切られたときは前髪の一部の結果が気に入らなかった。かといってどう頼むべきかもわかりかねていた。仕様決定ではいつもの感じでいいですね、という感じで自然に流れていて、まあ前回は中途半端に短くしてほしいとか言ったせいもありそうな感じだったので、そこはそれでよいということにした。前髪を切られるとき、雑誌から目を離して切られる様子を観察しつつ、切られるのに最適だと思われる視線方向、顔の角度にしたら、まあまあ良い仕上がりになった。同じようなことを過去に他のところでもやって効果があったから、それなりに合っている行動と思う。

切られている途中は雑誌を見て、食べ物の値段を予想しては答え合わせをする、という読み方ができるよなあ、と思いつつ、そんなに何も予想していなかった。その途中で、急に現金の持ち合わせがあったか不安に駆られた。今すぐ言うべきで、カード決済が可能か聞くべきだろうか。会計の時に謝ったらどうにかなりそうだけれど、そのときは笑うべきなんだろうか。雑誌はより何も入ってこなくなっていた。考えた結果結局言わないでいた。すがる思いで現金はあったので何事もなかった。なかった場合でも、途中で言うのはあまりいい結果を呼んでいなかっただろうと思うから、ここのところ判断力が地に落ちていた割には、まともな選択をとることができて、よかったですね。

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空腹で京都の街、というかあの特定のエリアを彷徨うのはもううんざりなのだが、また何故かやっている。何がうんざりなのかを説明するのはうんざりだから、その過程や詳細を述べるのもうんざりなのだけれど、結局は事なきを得た。事なきを得てから本屋に行って、事なきを得て。業務スーパーで16円の麵、言わずもがな。

だいぶ整ったけれど、雨の中帰るのは少しつらく感じて、熱が必要だと思い、地下鉄駅構内のセブンでホットコーヒーRを買って、地下鉄のホームで(椅子に)座りながら飲んだ。これでもかってくらい落ち着いた。